『九条の大罪』を観終わって、「菅原遼馬は結局どうなったのか」「死んだのか、それとも生きているのか」と気になっている方は多いはずです。後藤剛範が演じる介護施設「輝興儀」代表・菅原遼馬は、表の顔と裏の顔を持つ厄介な敵役。遺言書詐欺の手口、壬生との因縁、犬飼との同盟、原作16巻時点でのバンコク逃亡——気になる点を順番に整理しながら、後藤剛範という俳優の歩みも踏まえて読み解きます。観ながらモヤモヤを抱えてきた人にも、これから観直す人にも、頭の中の整理に使えればうれしいです。
菅原遼馬とは|基本プロフィールと物語上のポジション
菅原遼馬は、Netflix版『九条の大罪』第2〜3話に登場する介護施設「輝興儀」の代表。表向きは介護事業者ですが、実態は詐欺・強盗を本業とするアウトロー集団という二面性のあるキャラクターです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役名 | 菅原遼馬(すがわら りょうま) |
| 演じる俳優 | 後藤剛範 |
| 表の職業 | 介護施設「輝興儀」代表 |
| 裏の実態 | 詐欺・強盗を本業とするアウトロー集団 |
| Netflix版初登場 | 第2話 |
| 原作初登場 | 第2巻 |
| キーワード | 遺言書詐欺/壬生への恨み/介護施設の隠れ蓑 |
物語上のポジションは、「九条の哲学を試す試金石」。介護施設という社会的弱者を扱う現場を悪用する菅原は、「依頼人を選ばない」九条の姿勢が本当に通用するのかを問う存在として配置されます。本作のテーマである「法と倫理の境界線」を最も鋭く突きつけるキャラの一人と言えそうです。
菅原を含む登場人物の力関係を一望したい人は、

菅原遼馬の名場面・印象的セリフ|記憶に残る3シーン
第2話|介護施設での善人の顔
菅原の登場シーンで効くのは、「表の顔」の作り込み。介護施設の代表として入居者やスタッフに対して見せる物腰の柔らかさ、業界用語を自然に使う知識の厚み——後藤剛範の演技が「ただの悪人」ではなく「介護を分かっている悪人」を成立させる初動です。
この場面で視聴者は、「あれ、この人は良い人なのかも」と一瞬騙される設計。その騙されが、後の遺言書詐欺の発覚で反転する仕掛けになっています。脚本と演技の合わせ技で、菅原の二面性が立ち上がる重要なシーンです。
第3話|認知症の入居者に遺言書を書かせる場面
菅原の本性が露わになるのが、認知症が進んだ入居者に遺言書を書かせる場面。動画撮影で「自主意思」を偽装する周到さ、書類を整える事務的な手つき——温度のない作業として進められるからこそ、薄ら寒い恐怖が立ち上がります。
後藤剛範はここで声を荒げません。むしろ穏やかに作業を進める。感情を切り離して悪事を遂行する姿が、菅原というキャラの本質を可視化する名場面です。
壬生(町田啓太)への含みのあるセリフ
菅原と壬生が対峙する場面では、過去の因縁を匂わせる短いセリフが効きます。「お前のせいで」とは口にしないが、視線と語尾の温度で「俺はお前を許していない」と分かる——後藤剛範のキャリアで培われたマイクロな表情演技が冴える場面。壬生本人の人物像は

このシーンが本作のアウトロー集団抗争パートの導火線になります。菅原一人のキャラ造形が、その後の物語の燃料として機能している構造です。
菅原遼馬と他キャラの相関|誰とどう関わるか
菅原の人物関係は、「アウトロー集団社会」「九条事務所」「介護施設の被害者」という三方向に伸びています。
壬生憲剛(町田啓太)との因縁
菅原の物語の中心軸が、壬生憲剛との因縁。原作で明かされるのは、過去に壬生が菅原の別の介護施設を潰したという経緯。菅原は壬生を深く恨み、復讐の機会を窺っていました。
しかし物語の進行とともに、「敵→共闘」への逆転が起きます。犬飼の介入、京極の動き、九条の関与——これら複数の力学が絡み合うことで、菅原と壬生の関係は単純な「敵対」では終わらない複雑な軌道を描きます。アウトロー集団社会のリアリズムが凝縮された関係性です。
犬飼勇人(田中俊介)との同盟
壬生への復讐のため、菅原は犬飼勇人と手を組みます。犬飼が嵐山信子殺害の主犯として動く流れに、菅原がどう関わるかが原作と Netflix 版の見せ場の一つ。犬飼の人物像は

菅原・犬飼・京極・壬生という四角関係が、本作のアウトロー集団パートの骨格を作っています。それぞれが互いを利用し合う関係で、安易な「悪vs正義」の図式に収まらない厚みがあります。
京極清志(ムロツヨシ)との関係
伏見組若頭・京極清志は、菅原にとって業界の上位レイヤーにいる存在。直接の同盟関係ではないものの、犬飼を介して間接的に関わります。京極の息子・京極猛が犬飼に殺害される展開と、その後の壬生の自首——この連鎖の中で菅原は壬生側につく形になります。京極の人物像は

九条間人(柳楽優弥)との関係
菅原と九条の直接対峙は、遺言書詐欺の法的処理を介して発生します。山城(岩松了)経由で九条に送られた事件として、九条はこの案件に介入。「依頼人を選ばない」九条の哲学が、菅原のような明らかな悪人にも適用されるのかを問う展開です。
菅原と関わるキャラの全体像を整理したい人は、

菅原遼馬の伏線と謎(※ネタバレ注意)
※以下はネタバレを含みます。本編未視聴の方はご注意ください。
菅原というキャラには、Netflix版第1シーズンでは完全には明かされない伏線が複数残されています。原作の情報を交えつつ、慎重に整理します。
遺言書詐欺の5ステップ構造
菅原の犯罪の核心である遺言書詐欺は、以下の手順で構成されているとされます。
- 認知症の高齢者を施設に入居させる——表向きは介護として運営
- 遺言書を書かせる——遺産を介護施設の運営会社に寄付する内容
- 動画撮影で「自主意思」を偽装——本人の判断能力に問題があっても証拠映像を作る
- 山城(岩松了)経由で九条に送付——法的処理を依頼
- 老人死亡後、遺産を会社が合法的に受け取る——遺言書が「合法」の壁になる
この手口の怖さは、動画と書類という二重の証拠が揃うため、形式上は完全に合法に見える点。九条はこの手口に対して、認知症の進行度と判断能力の関係を争点に突破を試みます。「合法と違法のグレーゾーン」を扱う本作のテーマが、菅原の事件で最も濃く出る構造と読み取れます。
壬生に潰された「別の介護施設」の過去
原作で示唆されるのが、菅原が過去にも介護施設を運営していて、それを壬生に潰されたという背景。詳細はNetflix版では深掘りされませんが、菅原の壬生への恨みの根源として機能する設定です。「介護施設の連鎖」が菅原のキャリア全体を貫いている、と読み取れるかもしれません。
「死んだのか、生きているのか」の謎
Netflix版第1シーズンでは、菅原の最期は明確に描かれません。第2〜3話で本格登場した後、断片的に姿を見せて物語の背景に退いていく——という終わり方で、視聴者にとっては「結局あの人どうなった?」のモヤモヤが残る設計になっています。
これらの伏線が示すのは、菅原が「単発の悪人」ではなく、本作のアウトロー集団パート全体を貫く軸として配置されているということ。彼の登場と退場、再登場が、シリーズ全体のアウトロー集団抗争を駆動しているとも読めます。
菅原遼馬の結末予想と原作での顛末(※ネタバレ注意・ヘッジ全段落)
※以下はネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。
原作『九条の大罪』は2026年5月時点で連載継続中(最新16巻)。原作で確認できる範囲+そこから読める予想を、すべてヘッジ付きで整理します。
原作で確認できる範囲では、菅原は最新16巻時点で生存していると読めます。京極を嵌めて海外逃亡した壬生とともに、タイ・バンコクで逃亡生活を送っているという描写があるようです。日本での事件を逃れ、壬生と共闘する形で海外に身を潜めている——というのが2026年時点の原作の到達点。
Netflix版で「菅原は死んだのか」の検索が多い理由は、第1シーズン内で菅原の最期が明示されなかったから。視聴者の頭に残る「未消化のキャラ」として機能した結果、検索行動を促す形になっています。シーズン2が制作される場合、この未消化感を解消するためにも菅原の続編登場は重要な要素になりそうじゃないかな、と読み取れます。
結末予想として、菅原は「悪のまま死なないキャラ」として描かれ続ける可能性が高い気がします。原作者・真鍋昌平は『闇金ウシジマくん』でも、悪役を派手に滅ぼさず、ずるずると生き残らせる作劇を得意としていました。菅原もその系譜で、勝者にも敗者にもならず、社会の隙間で生き続けるキャラに落ち着くのかもしれません。
バンコク逃亡編がアニメ化やドラマ化される場合、海外を舞台にした逃避行が描かれることになります。九条が国内の事件処理を続ける中で、菅原と壬生は遠景でちらつく存在として継続登場する——という展開が予想できそうです。
ただし、原作の連載が今後どう転ぶかで結末は変わります。菅原が日本に戻ってきて九条と再対峙する展開もあり得るだろうし、そのまま海外で消える展開もあり得るだろうし、断言は避けたい部分です。
後藤剛範はなぜ菅原遼馬役に選ばれたか|キャスティング考察4ステップ
後藤剛範の菅原遼馬役は、彼のキャリアの「二面性キャラ」の蓄積を集約した配役と読み取れます。事実比較4ステップで整理します。
①過去作の傾向:善悪を切り替える役の名手
後藤剛範は、Netflixシリーズ『全裸監督』のラグビー後藤役、ドラマ『きのう何食べた?』のシロさんの元カレ・マーちゃん役、『新宿野戦病院』の介護士・甲斐役、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、『ライオンの隠れ家』の殺人実行犯役、『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』のホステス殺し容疑者役、映画『騙し絵の牙』『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』など、表の顔と裏の顔を瞬時に切り替えるキャラを多数演じてきた俳優です。1983年生まれ、Nabura所属。
②今回の役の位置づけ:介護施設代表という「善のフリ」
今回の菅原遼馬は、「介護のプロを装うアウトロー集団」という二面性キャラの王道。表面の人当たりの良さと、裏側の冷酷さを同時に成立させる必要があり、後藤剛範の得意領域そのものです。
③違い/同系統の観察:『ライオンの隠れ家』『オクラ』の延長線上
過去作と比べると、『ライオンの隠れ家』の殺人実行犯や『オクラ』のホステス殺し容疑者と地続きの系譜にある役。ただし菅原は単発の犯罪者ではなく、アウトロー集団社会の中で長期的に活動する人物像のため、『全裸監督』のラグビー後藤のような継続キャラの経験も活きていると読み取れます。一発の場面で勝負するだけでなく、シリーズを通じて存在感を維持する役柄に対応できる俳優です。
④見どころのヘッジ考察
視聴の見どころは、菅原の「介護のプロらしさ」がどこまで本物に見えるかになりそうです。後藤剛範は身体的にも特徴があり、マッチョな体格を活かした「圧と柔らかさの同居」が得意。介護現場という福祉の場所に、暴力性が静かに混ざる演技をどう調整するか——その温度の切り替えが菅原役の最大の楽しみ方になりそうだろうか、と感じます。
後藤剛範の過去作で見る菅原遼馬の系譜|代表作3本以上
『全裸監督』(2019-2021年・Netflix)ラグビー後藤役|継続キャラの存在感
Netflixシリーズ第1作で、村西とおる周辺の継続キャラを演じた。シリーズを通じて少しずつ表情が変化していく長期キャラの演技で、菅原のような「複数話にまたがるキャラ」を担う基礎がここで作られたと読み取れます。
『きのう何食べた?』(2019年・テレ東)マーちゃん役|柔らかさの引き出し
シロさんの元カレとして登場し、温かみと過去のしがらみを同居させた役。後藤剛範の引き出しの中でも「優しさ寄り」の演技が見られる作品で、菅原の「介護のプロらしさ」の柔らかさは、この役の延長線上にあるのかもしれません。
『ライオンの隠れ家』(2024年・TBS)殺人実行犯役|冷酷の側
サスペンスの実行犯を演じ、感情を切り離して悪事を遂行する役柄を見せました。菅原が認知症の入居者に遺言書を書かせる場面の温度感は、このタイプの演技と地続きです。短い登場でも強い印象を残す技術が、菅原の二面性に直結しています。
『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ(2021年〜)営業部部長役|コメディの引き出し
殺し屋姉妹を扱うシリーズで、マッチョな体格を活かしたコメディリリーフを演じました。シリアス一辺倒ではなく、笑える側面も持つ俳優であることを示す代表作。菅原の「人当たりのよさ」の自然さは、コメディ筋肉の蓄積から来ているとも言えます。
『騙し絵の牙』(2021年・映画)出版業界の役|業界用語のリアリティ
大泉洋主演の出版業界サスペンスに参加。業界の専門用語を自然に語る演技は、菅原が介護用語を自然に扱う場面の質感と共通します。「その業界で本当に働いている人に見える」というディテールの説得力が、後藤剛範の強み。
これら5本を貫くのは、「振り幅の広さ」と「ディテールの説得力」。脇役として複数のジャンルで実績を積み上げてきた俳優ならではの厚みが、菅原のような二面性キャラに最適化されています。
『九条の大罪』菅原遼馬によくある質問
菅原遼馬は最終回でどうなる?
Netflix版第1シーズンでは、菅原の最期は明示されません。第2〜3話で本格登場した後、物語の背景に退いていく形で第1シーズンを終えます。原作16巻時点では生存しており、壬生とともにバンコクで逃亡生活を送っているとされます。シーズン2が制作される場合、この逃亡編が描かれる可能性がありそうです。
菅原は死んだの?
2026年5月時点の原作16巻までで、菅原は死亡していません。海外逃亡中の状態で物語に関わり続けている描写があると読み取れます。Netflix版で「死んだのか」と思わせる演出になっているため検索が増えていますが、原作の現在地としては生存しているのが事実です。
後藤剛範の演技で印象的なシーンは?
個人的に印象に残るのは、認知症の入居者に遺言書を書かせる場面。感情を切り離した事務的な手つきが、菅原の本質を可視化します。声を荒げず、淡々と作業を進める——その温度のなさが、後藤剛範のキャリアで磨かれた「悪役の引き算」の到達点と言えそうです。
菅原と壬生の関係は最終的にどうなる?
原作の最新巻では、菅原と壬生はバンコクで共闘関係にあるとされます。かつての「敵」が「逃亡の同行者」に変わる逆転構造。ただし関係が安定しているわけではなく、いつ亀裂が入ってもおかしくない緊張感のある関係として描かれているようです。
菅原遼馬まとめと関連記事
菅原遼馬は、『九条の大罪』における「介護施設を悪用するアウトロー集団」として、本作のアウトロー集団抗争パートを駆動する中心人物。遺言書詐欺という現代日本の高齢化社会の闇を体現し、壬生・犬飼・京極との四角関係の起点として配置される重要キャラです。介護施設の表の顔と詐欺師の裏の顔——その二面性が、本作の「合法と違法のグレーゾーン」というテーマを最も鮮やかに突きつけてきます。
キャスティング面では、後藤剛範の「二面性キャラの蓄積」が、菅原という難度の高い役にぴったり重なりました。『全裸監督』『きのう何食べた?』『ライオンの隠れ家』『ベイビーわるきゅーれ』『騙し絵の牙』で培ってきた振り幅の広さが、介護のプロを装うアウトロー集団という矛盾したキャラに説得力を与えています。シーズン2が制作されれば、バンコク逃亡編という新しい舞台で菅原がどう描かれるのか、楽しみな部分です。
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